本日、9月1日は「防災の日」です。
関東大震災から102年。災害への備えを振り返るこの日に、私たちが日々の暮らしや仕事の中で「安全」とどう向き合っているか、あらためて立ち止まって考える機会にしたいものです。
そして今年は、防災の日を迎えてもなお、記録的な猛暑が続いています。
日中は35度を超える日が当たり前になり、身体にも心にも疲労が蓄積してきているのではないでしょうか。
そんな中で注意したいのが、“暑さへの慣れ”と、それにともなう“油断”です。
たとえば、「今日は少しマシだから」「忙しいから後でいいや」と水分補給を後回しにしてしまう。
あるいは「帽子や冷却グッズは面倒だ」と暑さ対策を省略する――その“ちょっとした近道”が、熱中症や体調不良といった大きなトラブルを引き起こすことがあります。
こうした“近道行動”は、暑さ対策に限りません。私たちの生活や仕事のあらゆる場面に潜んでいます。
たとえば運転中。「この道のほうが早いはず」と、カーナビの案内を無視して裏道に入ってみたら、思いのほか道幅が狭く、離合も困難で、結局時間がかかってしまった――そんな経験はないでしょうか?
「まあいいか」と説明書を読まずに機械を動かして壊してしまった、というのも同じ構図です。省略したつもりが、かえって手間やリスクを増やす結果になってしまうのです。
職場でも同じことが起きています。
毎日同じ作業をしていると「慣れ」が生まれ、最初は丁寧に守っていた手順に、いつの間にか“自己流”が混じるようになります。
それが「これがコツなんだ」と思い込まれ、気づけば“近道”がそのまま“標準”になってしまうのです。
さらに厄介なのは、「焦り」がこの近道行動を加速させることです。
時間がない、トラブルが起きた、予定が押している――そんなとき、人は確認を省き、判断を急ぎます。
でも、焦って飛ばしたその先にあるのは、事故やミスという、もっと大きな遠回りかもしれません。
「急がば回れ」という言葉があります。
一見遠回りに見える方法が、じつはもっとも安全で、もっとも早い道であることもある。
それは、人生にも、仕事にも通じる教訓です。
効率を求める時代だからこそ、あえて「手順を守る勇気」と「一呼吸置く余裕」を持つことが、結果的に“本当の近道”になるのではないでしょうか。
そしてもう一つ。私たちは決して一人で働いているわけではありません。
周囲の人に目を配り、困っている様子があれば声をかける。
互いに支え合える空気をつくることが、見えない“安全”を守る、もうひとつの近道になるのです。
猛暑のなか迎える9月のはじまり。
この「防災の日」に、安全について考えること自体が、すでに大切な一歩なのかもしれません。
文:caritabito