第7章「シンプルに、まっすぐに ―話すのではなく、“聴く”を返す」では、キャリアコンサルタント養成講座も後半に差し掛かり、西園がこれまでの学びを実践に重ねながら、自らの支援スタイルを模索していきます。

理論を知ることと、それを使いこなすことの間には大きな距離がある――ロールプレイの中で直面する迷いや、仲間からの率直なフィードバックが、その距離を少しずつ埋めていきます。
講義での学びは「キャリア理論」から「関係構築」まで広がり、対話の場では「聞きすぎても、話しすぎてもいけない」という支援の難しさを痛感します。

迷いながらも、西園の中に芽生えたのは「相手の言葉をそのまま受けとめ、必要以上に飾らず返す」というシンプルな姿勢。
それは派手ではないけれど、揺るぎない信頼を築くための土台でした。
本章は、支援者としての原点に立ち返り、その足場を固めていく過程を丁寧に描きます。