三連休の中日。
枝先に、小さな白が灯っていた。
まだ冬の空気の中で、それでも確かに、春は動き始めている。
昨年末から動かしていなかったキャンピングカーのエンジンをかけることにした。
発電機やFFヒーターも、定期的に動かしておいた方がいい。
機械は、使わないと弱る。
季節も、同じかもしれない。
せっかくなら少し出かけようと、行き先を深山公園に決めた。

道の駅に着くと、幟が風に揺れていた。
空はよく晴れている。冬の光は澄んでいる。
ちょうど昼時。
私はスペシャル弁当、妻は唐揚げ弁当を選ぶ。

車に戻り、私はカップラーメンも添えて昼食にした。
温かな車内でコーヒーを飲みながら、しばし落ち着く。
これだけで、もう小さな旅である。
食後は池へ向かった。

白鳥がゆったりと水面を滑っていく。
首を弓なりにしならせ、水を押し分ける姿は、堂々としている。

休日は、こうして人と自然がほどよく混じり合う時間なのだろう。
さらに奥へ進むと、小鳥のさえずりが聞こえてきた。

枝が幾重にも交差する木立の中から、ようやく見つけた一羽。

命は、こちらの都合では止まってくれない。
それでも、見つけられた瞬間は、少し誇らしい。
梅林へ向かう。

一輪の白梅に、小さなハエが止まっていた。
花が咲き、虫が訪れ、また次の命へつながっていく。
目に見えない循環が、ここにはある。

満開ではない。
けれど、確実に春は動き始めている。

動いたのは、機械だけではなかった。
弁当の湯気。
水面の波紋。
小鳥の羽ばたき。
梅の色。
春は、突然やってくるのではない。
こうして、枝先から始まる。
小さく動かすことは、
小さく季節を迎えることでもあるのだ。
文:caritabito