― 終わらせない勇気をキャリアに
「Losing isn’t an option(負けるという選択肢はない)」
――この言葉は、2025年ワールドシリーズ第2戦の前日、
ドジャースの山本由伸投手が記者会見で語った「負けるわけにはいかない」という日本語の発言を、
通訳の園田芳大氏が英訳したものとして広まった。
その後、デーブ・ロバーツ監督が「シリーズ前に彼は“Losing isn’t an option”と言っていた」と語り、
このフレーズはチームの信念として定着していった。
さらに、優勝パレード後の報告ラリーでは山本本人が英語で同じ言葉を口にし、
それはドジャースの精神を象徴する合言葉となった。
幾度も訪れた逆境の中で、この言葉が選手たちを支え、
数々の土壇場を跳ね返す原動力になっていた。
勝ち負けのない世界での「Losing」
キャリアの世界では、野球のようにスコアが明確に示されるわけではない。
「昇進できた」「内定をもらえた」といった成果もあるが、
本質的な勝敗は他者との比較ではなく、自分の納得と成長にある。
この視点で言えば、“Losing”とは、失敗そのものではなく――
挑戦をやめ、自分の可能性を信じることをやめた瞬間に訪れるものだ。
「あきらめない」という選択
キャリアにおいて応用できるのは、
「負けない」よりもむしろ「あきらめるという選択肢を持たない」という姿勢だ。
失敗や迷いは避けられないが、それを理由に歩みを止めない。
たとえば転職活動で苦戦しても、学び直しが思うように進まなくても、
「もういいか」と手放さない限り、それはまだ“途中”にすぎない。
キャリアの“試合”は、いつも続いているのだ。
言葉が支えになる
人は不安なときほど、心の中で自分に語りかけている。
そのセルフトークの内容が、行動と感情を大きく左右する。
だからこそ――
Losing isn’t an option.
(あきらめるという選択肢はない)
と、自分に向かって静かに言い聞かせてみる。
それは他人に勝つための言葉ではなく、
”昨日までの自分に負けないための言葉”になる。
信念が行動を変える
この言葉を胸に刻むと、視点が変わる。
不安は「準備しよう」という意欲に、
壁は「成長のタイミング」へと姿を変える。
山本投手のように、
どんな舞台でも自分を信じて投げ続ける姿勢。
その“勝負の哲学”は、キャリアの道にも静かに響いている。
Losing isn’t an option ―
それは、終わらせない勇気の言葉だ。
文:caritabito