半年以上積み重ねてきたロープレ練習と口頭試問の反復。その集大成となる面接実技試験の日がついに来た。
にぎやかな高松の街で、私はどんな時間を過ごし、どんな心持ちで本番に向き合ったのか。
試験そのものの記録というより、“支援者になる”という長い旅の一日として、振り返りたいと思う。

◆ 高松駅に降り立つ ― 日常の風景と非日常の間で

試験会場は高松駅近くのビル。
駅を出ると、ちょうどイベント”さぬきマルシェ”が開かれていて、キッチンカーや屋台が立ち並び、朝から賑わっていた。

その喧噪を横目にしながら、私は静かなほうへ歩いていく。
今日だけは、余計な刺激を避け、心の動きを整えたい。
そんな気持ちで、まずは会場の場所を確認し、落ち着ける場所を探すことにした。

◆ カフェで出会った“ロープレの延長戦”

見つけたのは、駅近くのカフェ。
混んでいたので1人がけのカウンターに座ろうとすると、
「ここに荷物置いたらいいよ」と声をかける男性がいた。

競馬新聞を広げ、エリザベス女王杯の予想に没頭している様子。
少し話しかけると、そこから一気に“語り”が始まり、
私は思わずロープレのときのように、うなずき、相槌を返し、話を促してしまった。

岡山からわざわざ高松ウインズに馬券を買いに来たらしく、
なぜか彼の予想メモのコピーまで手渡される。
(もちろん捨てられず、今も手元にある。)

不思議と、この偶然の出会いで心がほぐれた。
ほどよい雑談と、人の“語りたい気持ち”に触れたことが、今日のウォーミングアップになった。

◆ 讃岐うどんと、ビルの片隅での“精神統一”

昼は近くのうどん屋で軽く食事を取り、
その後は試験会場のあるビルの中を、座る場所を変えながら静かに過ごした。

時間を確認し、手順を思い返し、シミュレーションを繰り返す。
まるで小さな瞑想を何度も挟むような時間だった。

◆ 面接実技本番 ― 時間の中に、いつもの自分を置いていく

受付時間になり会場へ。
高松会場は大阪よりも規模が小さく、1クール4人での面接だった。

今回に限っては、
「絶対に時間配分を誤らない」
という意識が強く、待ち時間も含めて徹底的に心の準備をした。

そして迎えた本番の事例は、

「キャリアの節目に関する相談」

これまで繰り返し練習してきたテーマの延長線上にあり、
緊張よりも、“淡々と自分の型で進める静かな集中”があった。

面談は、むしろ時間が足りないくらい。
まとめきれなかった部分は、口頭試問でしっかり補う形で終えることができた。

◆ 終わってみて――「いつも通り」にできたという手応え

面接も口頭試問も、
「等身大の自分でやれた」
という気持ちが一番大きかった。

半年以上、

 ・ロープレ
 ・口頭試問
 ・逐語録の分析
 ・気づきの再構成

この一つひとつの積み重ねが、今日の“いつも通り”を支えてくれた。

もしこれで落ちていたら――
「それはもう、才能ではなく、縁の問題だ」と思えるくらいには、
自分の力を出し切れたと感じている。

◆ 最後に:支援者としての「あり方」は、試験を超えていく

カフェでの偶然の出会い、
高松の朝の空気、
うどん屋の温かさ、
ビルの片隅での静かな時間。

今日一日を振り返ると、
試験だけでなく、それを取り巻く風景の一つひとつが
“支援者としての自分”を形づくっているように思えた。

試験が終わった今、
合否とは別に、
「支援者になる」という旅は、すでに静かに、しかし確実に始まっている。

文:caritabito